熱伝導解析における時間項の離散化と計算精度について | |
有限要素法による非定常熱伝導解析では,空間については有限要素により離散化を行ない,時間方向については差分法で行ないます。 |
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熱伝導問題で現われる時間依存項は1階の時間微分項で,離散化は差分法で行なわれます。 ○ 陽解法 まずはこれらの差分近似式を導出することを目的とします。 |
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非定常熱伝導問題の微分方程式は次式で表されます。 | |
(1)
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今,時間方向の刻み幅を dt [sec],パラメータを θ とします。 ここで, θ の値が取ることのできる範囲は です。 |
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(2)
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は,
となります。 |
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時刻 における微分方程式は,添え字 n + θ を使用して次の式で表現されます。 |
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(3)
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ここで,時刻 tn と tn+1 の間における温度と時間の関係を線形近似すれば,以下に示す図のようになります。 |
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図1 時間と温度の関係 |
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タイムステップ N + θ というものを仮想的に考えた場合,温度は次式で近似されます。 導出方法はこちら |
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(4)
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またこのときの温度の時間変化率は次式で近似されます。 | |
(5)
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(4)と(5)を(3)に代入します。 | |
(6)
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次のように整理します。それぞれの差分近似はこの式でパラメータ θ を決めることで得られます。 | |
(7)
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θ = 0 のとき | |
(8)
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θ = 1/2 のとき (クランクニコルソンの陰解法) | |
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(9)
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θ = 1 のとき (完全陰解法) | |
(10)
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以上で,時間方向の差分近似式がそろいました。 今後はそれぞれの差分での計算を行い,検討を続ける予定です。 |
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