磁界解析のための境界条件1

 

境界条件には固定境界条件と駆動境界条件及び自然境界条件があることを説明しました。
ここでは 境界条件について,磁界解析を例に解説します。まず下の左図を見てください。縦1.5m,横1.2mの空間の中心に縦0.08m,横0.1mの永久磁石がおいてあります。この永久磁石のつくるベクトルポテンシャルの理論解は加川幸雄先生の「電気電子のための有限要素法の実際」という本に式が出ています。理論解を計算して得られた磁束分布を下の右の図に示します。(ただしこの本の理論解の式は一部間違いがあるので正しい式を下に示しておきます。)

 

解析領域概念図 磁束分布−理論解−
図1 解析領域の概略図
図2 理論式より得られた磁束分布

 

図1,2のような場合のベクトルポテンシャルの理論式は,永久磁石の大きさが縦2b,横2aであり,磁化のx方向成分がMxであるような場合,次の式で表されます。

 

ベクトルポテンシャルの理論式


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