磁場解析 例題2 電磁力計算精度の検証 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
ここでは,文献1および2を題材に電磁力計算を行い,作成した2次元静磁場解析プログラムの動作検証ならびに精度検証を行います。 文献1では,改良エネルギー変位法による電磁力計算結果をマクスウェル応力法による結果と比較することで,その有用性について検討されています。 文献2では,文献1で取り上げられた検証問題を題材にして,節点力法による電磁力計算結果をマクスウェル応力法による結果と比較することでその優位性について述べられています。 文献1 文献2 これから磁場解析をやりたい人で,特に電磁力計算が要求されるという人は是非この文献を読んで注意点などを勉強してみてください。 |
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計算モデル | ||||||||||||||||||||||||||||||||
文献1で取り上げられた電磁力計算精度検討モデルの概要図を図1に,計算モデルを図2に示します。 |
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図1 モデル概要図 |
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図2 計算モデル |
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計算条件 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
計算モデルは,問題がy軸に関して対称であることを利用して,2分の1モデルで行います。 他の境界 KL , LQ , QR は,本問題では磁束線が無限遠方に分布する開領域問題であるところを有限領域で打ち切るための人工的な境界であり,文献1では自然境界条件を適用しています。 また,永久磁石について磁性体側の表面を y = 0 とします。 ここでは言及しませんが,永久磁石と磁性体の両方を囲むようにマクスウェル応力法の積分路を設定すれば,得られる電磁力は 0 でなければなりません。しかしながら,通常は計算誤差の分だけ電磁力が算出されます。この計算誤差には磁束密度の取り扱い方やメッシュ配置に依存した様々な要素があるようで興味深いところです。もし興味のある人はトライしてみてください。その際は下記のサイエンスソリューションズ株式会社様のサイトが秀逸です。
【材料特性】 μ=μr×μ0 = 3000 × 4π×1.0E-07 = 3.768E-03 [H/m] ν= 1/μ = 1/ 3.768E-03 = 265.258 [m/H] となります。(ここでは,磁性体の磁化を [T] の単位で定義しています) |
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要素分割図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
図3に要素分割図を示します。
図3 要素分割図(左:全体図,右:磁石付近拡大図) |
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計算結果 コンター図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
計算結果を図4および図5に示します。 |
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図4 計算結果(左:磁束線図,右:磁束密度分布) |
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図5 磁束密度分布拡大図
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計算結果 電磁力 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
積分路のY座標を変えて計算した電磁力の結果を表1に示します。 誤差 [%] = 絶対値((基準解 - 計算値 ) / 基準解 )*100 |
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表1 電磁力計算経路による比較
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図6 積分路による電磁力の比較 図7 積分路による電磁力の誤差 |
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まとめ | ||||||||||||||||||||||||||||||||
計算結果は,永久磁石付近では電磁力計算の誤差が大きくなることを示しています。 今後の発展としては,次のようなものが考えられます。 |
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節点力法に関する文献としては次のものが有名です。 Akihisa Kameari :「Loacal force calculation in 3D FEM with Edge elements 」,International Journal of Applied Electromagnetics in Materials3 (1993) 231-240 Elsevier かなり昔の発表としては次のものがあります。 |